国立大学法人等グループ

国立大学法人等グループとして，各機関で共通するところは，「教育・研究・社会貢献」となっております。教育面で言えば，高等教育の提供により，全国的な教育の機会均等を確保し，また医師や教員などの計画的な人材育成を行うことでの社会的貢献が挙げられます。研究については，基礎研究から応用研究まで，世界最高水準の研究を推進し，また重要な学問分野の継承・発展という側面は社会貢献につながると感じております。こうした「教育」「研究」を通じて，例えば大学であれば卒業生が社会で活躍し，その活躍が地域への貢献となることからも，産業創出や文化創造に貢献することとなり，文字どおりの「社会貢献」となろうかと感じております。これらを通じて，社会貢献とはすなわち，?人類の未来に対する先行投資?になるものと感じております。

国立大学法人等の給与については，かつては国家公務員という身分であったことに由来することから，現在でも国家公務員の給与を基準として定められております。現在のような好景気の中で，民間企業と比較した場合は，もしかしたら世間一般と比較して安価であると思われるかもしれません。ただ，ワークライフバランスも考慮した場合は，給与とワークライフバランスとの調和は非常に取れているものと感じております。

国立大学法人等の各機関共通して言えることは，土日完全週休２日制度だけでなく，夏季休暇や年末年始の休暇などがあり，年間の休暇日数は１２０日近くとなり，１年を通じて３日のうち１日は休日の計算となります。これ以外に，年次休暇も別途取得可能となることから，休日休暇は充実しているものと感じます。また，組織の多くが国立大学法人ということからも，テニスコートやグラウンドを持っておりますが，学生とともに，職員としてもこれらを利用することが可能で，例えば昼休み中にテニスコートを使って職員同士で試合をしたりしております。こうした点から，仕事とそれ以外とのオンオフをうまく切り替え，またワークライフバランスが高いと感じることができるものと思っております。

国立大学法人等に共通する問題点としては?少子化による１８歳人口の減少?運営費交付金などの予算的な配分の減少が挙げられます。こうした問題の下で，従来どおりの仕事をただただ続けるだけでよいといった考えであったり，こうした問題に対して鈍感なままで仕事をしていては，残念ながら今後の大学等の運営は厳しくなると感じております。確かに，株主に支えられることが主体となる民間企業と比べて，運営費交付金などの主に税金で運営できる点は恵まれているとも言えなくもないですが，運営費交付金についても，今後は弾力的な配分など，国立大学法人等の成果に見合った内容に対して配分する傾向となってくるかと思っております。採用方法が公務員と類似していることから，公務員と同様と考えて，前例踏襲などといった仕事のやり方でなく，主体性を持って仕事に取り組んでいただきたいものと思っております。