株式会社東京大学TLO

リエゾンアソシエイトの仕事は、企業との共同研究成果である発明の取り扱いを企業と交渉して契約書にまとめることです。大変だからこそ面白くて飽きずに続けられる、やりがいの大きい仕事だと思います。やりがいポイントは2つあります。まず、東京大学から生まれるあらゆる分野の最先端の発明を、自分が一番最初に知ることができます。仕事を進めるために発明内容をある程度理解する必要があり、入社当初は専門用語のオンパレードで戸惑いましたが、「もっと知りたい！」という好奇心がその大変さを上回り、勉強の後押しになっています。次に仕事上、あらゆる業界・規模の企業の方と関わることができます。東京大学は総合大学なので、共同研究相手となる企業も様々です。特にベンチャー企業と関わらせて頂く際には、自分が担当する発明をその企業が製品化につなげ成長してゆく様子を一体感とともに感じることができます。発明の理解に苦労したり、企業との交渉が難航したりする大変さは当然ありますが、それを乗り越えて企業と契約内容の合意ができた時は、かけがえのない発明を製品化という形で花咲かせるための第一歩に貢献できたという大きな達成感を得ることができます。

入社当初、一番苦労したのが発明の理解です。自分を含め文系出身者も多く入社しており、皆自分と同じように努力して理解を進めています。もちろん努力は必要ですが、例えば発明数の多い研究分野に絞った上で基礎知識をつける勉強会があれば、仕事の効率化につながるのではと感じます。ただ、当社にはいつでも業務改善を提案できる風土がありますので、私たち現場の社員が当社にマッチする制度を考え、経営陣に投げかけることで実現可能だと思います。また、TLO業界の中でも「リエゾンアソシエイト職」という企業との共同発明に特化した専門職があるのは当社のみだと思いますので、私たちが勉強会を通して深め合った知識やノウハウを他のTLOに情報発信する事で、業界全体を強くすることにもつながるのではと考えています。

半期年俸をとっています。具体的には、毎年3月末と9月末に、過去半年における業績や個人がそもそも持っている能力に応じて社員1人1人の職級が決まり、次の半年はその職級に応じた半期年俸が支払われるというシステムです。社員は上司と密にコミュニケーションをとり、日々頻繁に相談しながら仕事を進めていますので、常に見られているという点で評価の公平性は高いと感じています。又、評価のタイミングで上司との面談の時間があり、何故その評価になったのか、過去半年の良かった点や改善点、今後何に気をつけていけば成長できるのか、といった事を話しています。厳しいお話をいただく事もありますが、私は成長のチャンスだと思っています。

当社の事業は、東京大学で生まれた発明を産業界に橋渡ししていくことです。当社のライセンスアソシエイトが初めて発明に触れたときには、まだその発明がどこで活かされるかなど分からないようなことも多々ありますが、発明者である先生方をはじめ、上司や先輩、そして企業の方など、多くの方とのコミュニケーションを通して、発明のライセンス先を決めていきます。これまでにも多くのライセンス先企業様が、発明を活用した製品の実用化に結び付けておられますが、当社の事業を通して生まれた製品を新聞や店頭で見るたびに、社会のお役に立てた実感を得ることができます。

業界のリーディングカンパニーとして注目されることも多くなりましたが、まだまだ成長途上の会社であることも事実です。ふと頭に思い浮かんだ提案も、やる気さえあれば会社に提案でき、そのふとした提案で、会社の仕組みや制度を変えることも出来るのが、この会社での仕事の醍醐味です。従業員一人一人に任される仕事の範囲は広く、強い責任感も求められますが、会社や社会のためになる仕事をしている実感も味わえます。