株式会社オーシャンホテルシステムズ

事業の強み:
コロナ禍で休止期間が長くあるが、2019年まではクルーズ人口は増加傾向にあった。このコロナ禍を超える先には、2025年に新造船建設も予定しており、さらなるクルーズ業界の裾野を広げることになるでしょう。

事業の弱み:
今回のコロナという感染症に対して、船は閉鎖された空間ということもありいくら対策を取っても取りきれない部分がある。ウィズコロナのように、幾分か陽性発症者の隔離対応をとりながら、対策緩和していく必要がある。
また、クルーズ船は邦船3社しかなく、さらに運行船舶が少ない。今後のクルーズ人口を増やす起爆剤となるのは外国船による日本発着なども同時に必要となる。あたらに顧客ターゲットにしている50－60代が求める設備やインフラに対し、船舶は飛行機などと比べ数年遅れてしまう。その辺りの理解を顧客に求めていく必要がある。

事業展望:
2025年には2隻体制を目指しているが、コロナ禍による人材流出が多く乗組員の育成が追いついていない。

成長・キャリア開発:
部署によってはクリーニング免許資格、ソムリエ資格などの取得支援制度あり。ホテルサービス業となるため、部署を経ることによってサービス業のキャリア開発は可能と思われる。エンターテイメントについては、専門性が多種にわたるため今の所取得支援制度ははっきりしていない。

働きがい:
勤務しながら様々な土地の風土や観光、人々と触れ合うことが自身の財産となっていく。また、船上での非日常空間を演出し、お客様から感謝のお気持ちなどをいただくことに働きがいを感じる。

女性の働きやすさ:
ここ数年で女性の管理職も増加傾向にある。結婚を経てもなお継続する乗組員もいるが、ほとんど妊娠のタイミングで下船し、陸上業務へと転籍している。陸上業務では産休・育休も取得できるため、女性にとっては働きやすいのでは、と感じる一方で、管理職ポジションの交代が頻繁に行われてしまうとやはり落ち着かない。

企業カルチャー・社風:
スローガンや社訓を設定し、社長が変わるタイミングで更新されることがあるが、海上、陸上、共にあまり浸透しない。ピンバッジやポスターを作成することが多いが、正直あまりピンとこない。

組織体制・コミュニケーション:
船員ならではのトップダウン方式。上下関係がはっきりしており、良くも悪くも階級制度が残っている。乗組員は3－4ヶ月の勤務を１つの船内で過ごすため、密なコミュニケーションが取れる一方で、交代者を挟み休暇を経るため引継ぎや連絡が疎かになることも。

ダイバーシティ・多様性:
フィリピン国籍の乗組員もいるが、管理職になるのはほぼ日本人に限られる。フィリピン人に多いキリスト教に対する、食事や催事なども船内では積極的に行なわれている。

福利厚生:
乗船中は一切の生活費がかからない。光熱費、食費など。乗船中は貯蓄しやすい傾向にある。船内には社員食堂の他、売店、図書室、ジム、バー施設などがある。

オフィス環境:
船上での勤務、および寮生活のようなものなので、通勤時間はかからず、同僚・先輩・後輩は全て同じ空間に居住している。船の限られたスペースを多くの部署と共有するため、広いとは言えず、積み込みなどを頻繁に行い対応している。